
────本当に用意されているのだ。 結論から言うとこのゲームは素晴らしい。今すぐに買って欲しい。 安易なタルコフコピーでは無い、ジャンルを再定義しうる傑作だ。 とにかくこの神ゲーを広めたくてキーボードを叩いていたら、7000字を超えてしまった!蛇足なのは分かってる。買う決心がつかない人はお読みください。たとえばこんなシチュエーションがありうる、とセレステ氏は説明する。ヴルカノを作るための材料を求めて、アセラ宇宙港をジップラインに掴まり滑走していると、砂塵の向こうにふと、目標としてはいない大型ARCの姿がよぎる。すでにほかのレイダーと交戦中だが、打ち上がるフレアが先陣の全滅を告げる。そのARCの素材が今すぐ必要というわけではないが、報酬は非常に大きい。一瞬の逡巡ののち、踵を返して先ほどの損傷だらけのARCを追う。レイダーに必要なものは、臨機応変な判断力だ。 “すべての選択には必ず結果が伴う。” 「ARC Raiders」には、そんな体験が可能な世界が用意されているのだ。
< TL;DR > - 元 Battlefield 制作陣による脱出シューター - カジュアルだが十分な緊張感 - 敵NPCの存在価値が高い - 極上の表現力と操作感 - ソロプレイしやすい - 完璧な最適化注: テストで50hプレイ済。β版準拠なので随時直します。
略奪、脱出、拡充 PvPvE エクストラクションシューター
先に一つ明言しておきたい。 本作はPvPが超高頻度で起きる。 PvE専用モードは無い。 奪い奪われの殴り合いに血が滾る人以外にはおすすめしない。 ゲームの目的は物資を漁り、脱出する事。 脱出できなければ、所持品は全て消える。 リスクの高さに高揚し、達成感にハマる。 いわゆるタルコフライクと呼ばれ、数多の会社が安易に手を出し散っていった墓場の様なジャンルだが、この『ARC Raiders』は本当によくできているので警戒を解いて欲しい。 EFTがお好き? 結構。ではますます好きになりますよ。 そんな前置きが要る程、PvPvE は不評作が多く嫌われている。 しかしその傷跡は、おおむね以下のどれかによるものと思う。- ハードコアすぎる狂気的仕様
- 作り込みが足りず薄味な体験
- 納得できないゲームバランス
- バグや最適化不足で動作不良
遊びやすいゲームデザイン
一言で表せば、カジュアルなタルコフ(EFT)だが、設計思想はまるで異なっている。古今東西バズったゲームの集大成だ。 快適でしょう?んああー仰らないで。 【三人称】 俺は熱心な一人称愛好家だ。しかし本作はTPS。 脱出シューターなのに待ち伏せ有利では? その謎を解明するため、我々調査隊はラストベルトの奥地へと向かった──。- ピン機能・ゲーム内マップ・味方の名前表示あり。FF無し - 三人一組で、ダウンしても蘇生でき、死亡後には観戦可能 - 弾薬はライトアモ・ヘビーアモと言ったお馴染みの区分け - 全方位シールド装備で、TTKは長めで、一撃死は全く無い - PAD対応。クロスプレイあり。出血・骨折などの負傷無し - 脱出地点は時間経過で減っていき、自ずと接敵率が上がる
うるせ〜〜!!!!!知らね〜〜〜〜!!!! 𝑭𝑰𝑵𝑨𝑳 𝑭𝑨𝑵𝑻 𝑨𝑺𝒀 面倒事は無し。 ベースシステムは大体 APEX だ。 体力はシールドとHPのみ。 負傷なし。飲食なし。スタッシュテトリスもなし。 銃のカスタムも APEX 同様、簡素なMODスロット式。 武器にはレアリティがあるが、Lv4までの強化もできる。 これがバカにならず全性能が飛躍的に伸び、使い勝手が向上する。 コモンのガラクタは強化しやすく磨き上げれば頼れる相棒になる。 破産に怯える夜を知らない。 装備を失っても無料のランダム装備で出撃可能。 隠れ家では愛鶏スクラッピーがスクラップを集めて待っている。 それで基本装備がクラフトでき、装備の最低保証がされている。 現物支給のベーシックインカムだ。流石は北欧企業。 高耐久・ステルス・ARCの三拍子で、ソロプレイもやりやすい。 しかも、ソロはソロ同士でマッチングしやすくなっている。 オススメしないが野良でランダムチームを組む事も出来る。 キルタスクはPTで共有される(神)が、戦利品優先権は無い。 【ユーザービリティ】 ゲーム進行はクラフトが軸となる。 売る物より、使う物集めがメイン。 素材のピン留め機能があり、不足分のリストアップができる。 ゲーム内マップで、どこに物資があるかもざっくり示されている。 装備は設計図を持ち帰る事で恒久的に制作可能になる。 キャラを成長させるスキルツリーもある。 脱出に失敗しても確実に進歩が積み重なってゆく仕組みだ。 リザルト画面では自分が辿った道筋が残る。 付近にいたプレイヤーや、ダメージログを確認できる。 反省会・チーター判別がしやすく、理不尽感を緩和してくれる。 …他にも書ききれないほど、QoLへの配慮が深い。 タルコフの様にマンツーマンレッスンはいらない。「BPとBSとBTって何が違うの?」 「IIIAって何口径まで止めるの?」 「7.62x39と7.62x51間違えてた…」
申し分ないハードコア体験
保険ない。マーケットない。安寧ない。もういい? カジュアルだが、やりがいはある。 ロシア帰りの兄貴達にもご満足いただける歯応えだ。 プレイフィールは Hunt: Showdown に似ている。 不気味で、気配に神経を張り詰め、一撃が重い。 あらゆる行動が騒音を撒き散らし、ハイエナに嗅ぎ付けられる。 監視カメラ、セキュリティゲート、哨戒ドローン、野生動物…… うんざりする程、音が鳴る。 扉も漁りも治療も、全てが敵への情報源となってしまう。 銃には弾速も弾道落下もある。 ヒットマーカーなど無く、火花か血飛沫で判断する。 最初はアサルトライフルでさえ10発しか入らない。 高威力の中折式ライフルは単発だ。 魂を込めた銃撃戦になる。 広大なマップは魅惑と危険に溢れている。 人類抵抗の跡、壮大な遺骸、宙からの探査機、先遣隊の置き土産。 常にリスクとリターンの勘定に揺さぶられる。 プレイヤーから思考と挑戦の機会を奪わない。 過剰に優しいタルコフコピーとは一線を画すやりがいがある。 中国製とは中毒性が違う。緊張感を高める誘導が上手く、濃密なドラマを生む
開発者は本作を“脱出アドベンチャー”と呼んでいる。 一方日本では便利な言葉が生まれた。 いわば……たこシあ か プレイヤーがダウンすると、上空にフレアが打ち上げられる。 漁夫の利を狙うのか、ホットゾーンを回避するか。 “ レイダーに必要なものは、臨機応変な判断力だ。 ” 3つフレアが上がったらチャンスだ。部隊の壊滅、もしくは手負い同士が争っているのだから。 隙を突き、脱出したって良い。 脱出地点は点在する巨大エレベーターや列車等。 呼出ボタンを押すと警報が鳴り響き、遠くまで存在をばらされる。 扉が開くまで1分も待たされ、更に2分以内に内側でパネルを操作し閉じなければ脱出できない。 戦闘必至でレイドの総決算となる。ダウンしてもパネルを操作できるのが秀逸。 敗者達にもセカンドチャンスが与えられる。 扉が閉じる時、中に居さえすれば脱出可能。 往生際悪く動け。泥水を啜れ。命乞いしろ。 この最後の決戦がアツいドラマを量産する。 VCや “Don’t shoot!” 等のボイスもあるので、交渉も可能だ。 ラストベルトは弱肉強食。誰もが先手必勝で引き金を引く。 しかしここは家路への最終便。僕らに戦う意味はあるのか。 命がも゛ったいだいっ!!!! 目的はもう果たしているのに…!!! 互いの想いが伝わり合い、武器を置くことも珍しくなかった。──スモークを撒き、強引に扉を閉じるのか。 ──敵にARCを押し付け混乱させてやるのか。 ──息を殺し先に動いた敵を逆に仕留めるか。 ──扉が閉じ始めたら駆け込み乗車するのか。
とはいえ綺麗事だけでは生きていけない。 鍵があればレイダーハッチなる穴から静か且つ即座に脱出できてモチベを崩さなかった。 (ただし鍵は使われすぎてコストがアホ程増えた) タイマーがゼロに近づくほどに人は集まり、危機が迫り、面白いことになっていく。 ぜひその身で極限状態を体験して欲しい。暴力の行使が許されているからこそ、真の優しさが際立つ。 殴ったら首輪が爆発するような神に管理された無菌室では感じ得ない。 パネルを操作する間、あいつはいつでも俺を殺せた。 でも、撃たなかった。 これ以上の宝があるだろうか? これがPvEだったら「アッ……アス…(ポチ」と毎朝の出社並みの体験で終わる。
主役たる ARC
コイツ等の存在感は強烈だ。 宇宙から飛来する機械生命体に蹂躙され、人類は地底への退避を余儀なくされた訳だが、それが納得できる強さを持っている。 小型でさえ無傷で倒すのはコツがいる。 大型は災害だ。複数チームで囲っても勝ち目があるか読めない。 機械ならではの個性と役割が見て取れ、新たなARCとの出会いは本当にワクワクする。 素晴らしいのはロボットなので動作が特徴的。分かりやすい攻撃準備を挟んでくれる。 遠距離からチーターじみた無慈悲なワンパンHSをぶち込まれてイラつく事はもうない。 開発初期は PvE ゲームだったが、退屈すぎて変更。 結果的に PvPvE のギミックとして驚く程に上手く噛み合った。 ただ流行に乗った方針転換では無いと、触れば分かる。 ARC が強いおかげで臨時同盟が発足する。 安易な争いは ARC が乱入し共倒れになる。 脱出地点では出待ちが減る。ARC 不在は警戒のサイン。 ARC を釣るルアーを敵に投げ、攪乱したっていい。 立ち回りが ARC に握られる。最高の舞台装置だ。圧巻のグラフィックと技術力
アートワークの良さはストア画像でも見てくれ。いいね? アッハイ。 開発者は『スター・ウォーズ バトルフロント』と同じ面々。 つまりモーションが非常に滑らかで、操作感が最高に良い。 乗越え・スライディング・着地ロール等、運動能力も十分。 コピー品やモバイル向けから漂う軽さが無く、極めて上質。 最適化も完璧。推奨スペックは7年前の RTX2070(!?)だ。 UE5を世界で初めて使いこなした魔術師とテスター達は称賛した。 そして驚くほどバグが少ない。// 少しマニアックな閑話 開発元はスウェーデンの Embark Studios。 あの Battlefield で有名な DICE のすぐ近くに生まれた新興スタジオだ。 というのも DICE 初期(BF2以前)からの古株CEOが、BFVの発売前に Nexon に鞍替えし設立した経緯がある。 たった6人から始めた彼らは、かつての同志を目と鼻の先の古巣から次々と引き抜き、一気に成長。 つまりBF産み、その黄金期を支えた超一流クリエイター集団の方舟が Embark (乗船) なのだ。 (件のCEO自身は賛否両論ある。有能な元部下が今も多く就いている事が論意であるのでツッコまないで欲しい。Nexonに転職した元同僚から、Embarkは立場が強く口出し出来ない噂があるとも漏れ聞いたので剛腕ぶりは発揮してるのだろう。)
没入感を支える、驚異的なオーディオ
ᴀʙsᴏʟᴜᴛᴇ 𝗖𝗜𝗡𝗘𝗠𝗔 最も陰の立役者と感じた、サウンドの秀逸さも推したい。 寂寥感漂う澄んだ空気を、切り裂き震わせる火器の残響。 外星技術と本能で感じる、不気味な電子音が濁って響く。 重力の先を夢見た跡地に、風と命のざわめきが溶け込む。 PTSD シミュレーターの異名を持つ Battlefield1 を生み出したサウンドエンジニアの神々も参加している。 音響革命を起こした BFBC も彼らの功績という生き字引達。 そのサラウンド感は、視覚以上に没入感を演出しているこのゲームの白眉だ。 定位も明瞭で、ゲームプレイへの影響も大きい。 腕っこきのレイダーは敵を聞き、己の輪郭を掴ませない。もちろん懸念点もある
- ハードコア: かなり戦闘偏重のゲームデザインだ。 PvEモードは無いのに、ARCのパーツをそこそこ求められるので、戦闘を避けては通れない。PvPを含む以上、理不尽さとスキル差は取り除けない。それはマリオカートですら適用される原則なのだから。 - 古臭さ: 自分はレトロ趣味が無いのでビジュの第一印象は悪かった。 特に銃だ。ほとんどが錆びた鉄塊の壊れかけ。 単発系が多く、撃ってて興奮しない。 ただ、これは駆け引き重視のゲーム性とマッチしていて、いずれ慣れた。終盤は未来的で使いやすい銃も増える。 - スキン: 自由度が低い。根本的に、着替えると目立つのが致命的。 宇宙服は超カッコいいが、荒野に白は命知らずが過ぎる。 ラストベルトじゃどう死ぬかじゃない、どう生きるかだ。 - 価格: 40ドルが6000円は時の流れを感じるね……。その他 TIPS
- 強制ワイプなし: やりたい人だけワイプを選択できる。ささやかなリワードを獲得し進行状況をリセットする。これは8週間毎に実施される。 - バトルパス: 基本的に時間制限が無い。(一部を除く) HELLDIVERS2 のウォーボンドと同じ形式で、FOMOに悩まされない。拍手👏所感
総じて思うのは、「サバイバル体験」に価値を見出す作品だ。 戦闘以外のディープな要素は希薄。 人との出会い、極限下の生き様、その記憶を持ち帰る事に充実を得られるかが、好みを分けるのではと思う。 『ARC Raiders』はEFTを後追いせず、エクストラクションシューターのエモーショナルな体験を抽出して増幅させた策略的な作品だ。 その練られた設計は、バトロワに PUBG, APEX, Fortnite, WZ が併存するように、EFT型ではない脱出シューターの新たな地平を切り開いた。 煩わしさを取り除き、大衆向けに普遍化したメカニクスに落とし込む設計哲学は、往年のブレイクスルーを起こした傑作に近いものを感じる。 人によってはAPEXが登場した““当時””の閃光を幻視するかもしれない。既存ジャンルを再調整し、高度かつシンプルに研ぎ澄ました手腕の巧みさがそれだ。 故に幅広い人にオススメできる。PvPvE への抵抗さえ無ければ。 特にコンソールで遊べる脱出シューターは稀だ。 ただし、再び強く忠告するが、戦闘民族用のゲームだ。 重圧に魂が勃起する!!リスクジャンキーであれば、ハードな戦闘をカジュアルに体験できるループにやみつきになるはず。よくPvPいらないと言われるが、全く別物という事を分かって欲しい。ホラゲーにホラーいらないと言ってるのと同義の難癖だ。それではまるで麺なしラーメンだ。太るリスクを承知で背徳的悦楽を享受しているのに、ヘルシーにしてくれなんて、なんと無粋な。サラダが食べたい日もあるが、別の店に行く。 新たな扉が開くかもしれないぞ。トップサイドで待っている。
ENLIST.RESIST
DayZやArma MOD、Tarkovに熱中していた時、俺はずっと考えていた。 ベテラン達が莫大な予算で、こういうサバイバル系ゲームを作ってくれたらなぁ…と。 どれもこれも技術力に問題を抱え、ぶっ壊れたゲームばかり。 スタッフは強い思想を抱き、ユーザーの方を見向きもしない。 二匹目のドジョウを狙い軽率に手を出しては呆気なく散っていった脱出シューター達。 頼りの大資本にはDMZだのHZだの、リソース流用でこしらえた残飯モードでうっすい茶を濁された。 死屍累々踏み越え、数年越しに夢が叶った。 EA からエクストラクションした一流開発者達が手掛ける、PvPvE 脱出シューターの新境地が遂に登場した。タルコフを諦めた俺たちのゲーム
自分はタルコフの余りにもハード過ぎるシステムに心が折れて諦めたが、このゲームは滅茶苦茶楽しめている。 楽しさを感じさせるまでの導線がわかりやすくかつ適度な緊張感や探索の楽しさを味わえます。 個人的にはエネミーがしっかり強いのも嬉しい。単体では雑魚でも組み合わせや状況次第ではダウンも有り得る緊張感が素晴らしい。また、サウンドも非常に凝っており不気味な機械感を演出している。 ただ、結局のところPvPではあるので、上手い相手に当たるとあっけなく負けたりする。負けの結果が折角集めた物品を失うだけなので、合わない人はとことん合わないと思う。その分アイテムを持ち帰る事が出来た時の喜びもひとしおだが。 TPSなので場所有利や視界有利を考えて立ち回ればTTKが比較的長いゲームなので格上にもワンチャンある。 脱出口の芋もしっかりクリアリングしつつ、起動後は体を隠す等しっかりケア出来れば帰れる確率は上がる。それでも死ぬ時は死ぬが…。 ゲーム自体はソロとPTでマッチングを分けたりと相当丁寧に、入り易さを考えて調整しているのは強く感じる。 また、ファーム部分も現時点では評価したい。ウマい場所はしっかりウマく、低Tierエリアでも偶然美味しいアイテムが出たりする。設計図や高額アイテムが出た時の緊張感が楽しい。 (今後)気になる部分としては、有料PvPの宿命だが、プレイヤースキルの格差やワイプ無い事の格差をどうやって埋めていくのか。また、現状4map+1map追加予定といった状況だがどの様に拡張していくのか。信頼のEmbark Studiosなのでその辺りはポジティブに期待したい。
────本当に用意されているのだ。 結論から言うとこのゲームは素晴らしい。今すぐに買って欲しい。 安易なタルコフコピーでは無い、ジャンルを再定義しうる傑作だ。 とにかくこの神ゲーを広めたくてキーボードを叩いていたら、7000字を超えてしまった!蛇足なのは分かってる。買う決心がつかない人はお読みください。たとえばこんなシチュエーションがありうる、とセレステ氏は説明する。ヴルカノを作るための材料を求めて、アセラ宇宙港をジップラインに掴まり滑走していると、砂塵の向こうにふと、目標としてはいない大型ARCの姿がよぎる。すでにほかのレイダーと交戦中だが、打ち上がるフレアが先陣の全滅を告げる。そのARCの素材が今すぐ必要というわけではないが、報酬は非常に大きい。一瞬の逡巡ののち、踵を返して先ほどの損傷だらけのARCを追う。レイダーに必要なものは、臨機応変な判断力だ。 “すべての選択には必ず結果が伴う。” 「ARC Raiders」には、そんな体験が可能な世界が用意されているのだ。
< TL;DR > - 元 Battlefield 制作陣による脱出シューター - カジュアルだが十分な緊張感 - 敵NPCの存在価値が高い - 極上の表現力と操作感 - ソロプレイしやすい - 完璧な最適化注: テストで50hプレイ済。β版準拠なので随時直します。
略奪、脱出、拡充 PvPvE エクストラクションシューター
先に一つ明言しておきたい。 本作はPvPが超高頻度で起きる。 PvE専用モードは無い。 奪い奪われの殴り合いに血が滾る人以外にはおすすめしない。 ゲームの目的は物資を漁り、脱出する事。 脱出できなければ、所持品は全て消える。 リスクの高さに高揚し、達成感にハマる。 いわゆるタルコフライクと呼ばれ、数多の会社が安易に手を出し散っていった墓場の様なジャンルだが、この『ARC Raiders』は本当によくできているので警戒を解いて欲しい。 EFTがお好き? 結構。ではますます好きになりますよ。 そんな前置きが要る程、PvPvE は不評作が多く嫌われている。 しかしその傷跡は、おおむね以下のどれかによるものと思う。- ハードコアすぎる狂気的仕様
- 作り込みが足りず薄味な体験
- 納得できないゲームバランス
- バグや最適化不足で動作不良
遊びやすいゲームデザイン
一言で表せば、カジュアルなタルコフ(EFT)だが、設計思想はまるで異なっている。古今東西バズったゲームの集大成だ。 快適でしょう?んああー仰らないで。 【三人称】 俺は熱心な一人称愛好家だ。しかし本作はTPS。 脱出シューターなのに待ち伏せ有利では? その謎を解明するため、我々調査隊はラストベルトの奥地へと向かった──。- ピン機能・ゲーム内マップ・味方の名前表示あり。FF無し - 三人一組で、ダウンしても蘇生でき、死亡後には観戦可能 - 弾薬はライトアモ・ヘビーアモと言ったお馴染みの区分け - 全方位シールド装備で、TTKは長めで、一撃死は全く無い - PAD対応。クロスプレイあり。出血・骨折などの負傷無し - 脱出地点は時間経過で減っていき、自ずと接敵率が上がる
うるせ〜〜!!!!!知らね〜〜〜〜!!!! 𝑭𝑰𝑵𝑨𝑳 𝑭𝑨𝑵𝑻 𝑨𝑺𝒀 面倒事は無し。 ベースシステムは大体 APEX だ。 体力はシールドとHPのみ。 負傷なし。飲食なし。スタッシュテトリスもなし。 銃のカスタムも APEX 同様、簡素なMODスロット式。 武器にはレアリティがあるが、Lv4までの強化もできる。 これがバカにならず全性能が飛躍的に伸び、使い勝手が向上する。 コモンのガラクタは強化しやすく磨き上げれば頼れる相棒になる。 破産に怯える夜を知らない。 装備を失っても無料のランダム装備で出撃可能。 隠れ家では愛鶏スクラッピーがスクラップを集めて待っている。 それで基本装備がクラフトでき、装備の最低保証がされている。 現物支給のベーシックインカムだ。流石は北欧企業。 高耐久・ステルス・ARCの三拍子で、ソロプレイもやりやすい。 しかも、ソロはソロ同士でマッチングしやすくなっている。 オススメしないが野良でランダムチームを組む事も出来る。 キルタスクはPTで共有される(神)が、戦利品優先権は無い。 【ユーザービリティ】 ゲーム進行はクラフトが軸となる。 売る物より、使う物集めがメイン。 素材のピン留め機能があり、不足分のリストアップができる。 ゲーム内マップで、どこに物資があるかもざっくり示されている。 装備は設計図を持ち帰る事で恒久的に制作可能になる。 キャラを成長させるスキルツリーもある。 脱出に失敗しても確実に進歩が積み重なってゆく仕組みだ。 リザルト画面では自分が辿った道筋が残る。 付近にいたプレイヤーや、ダメージログを確認できる。 反省会・チーター判別がしやすく、理不尽感を緩和してくれる。 …他にも書ききれないほど、QoLへの配慮が深い。 タルコフの様にマンツーマンレッスンはいらない。「BPとBSとBTって何が違うの?」 「IIIAって何口径まで止めるの?」 「7.62x39と7.62x51間違えてた…」
申し分ないハードコア体験
保険ない。マーケットない。安寧ない。もういい? カジュアルだが、やりがいはある。 ロシア帰りの兄貴達にもご満足いただける歯応えだ。 プレイフィールは Hunt: Showdown に似ている。 不気味で、気配に神経を張り詰め、一撃が重い。 あらゆる行動が騒音を撒き散らし、ハイエナに嗅ぎ付けられる。 監視カメラ、セキュリティゲート、哨戒ドローン、野生動物…… うんざりする程、音が鳴る。 扉も漁りも治療も、全てが敵への情報源となってしまう。 銃には弾速も弾道落下もある。 ヒットマーカーなど無く、火花か血飛沫で判断する。 最初はアサルトライフルでさえ10発しか入らない。 高威力の中折式ライフルは単発だ。 魂を込めた銃撃戦になる。 広大なマップは魅惑と危険に溢れている。 人類抵抗の跡、壮大な遺骸、宙からの探査機、先遣隊の置き土産。 常にリスクとリターンの勘定に揺さぶられる。 プレイヤーから思考と挑戦の機会を奪わない。 過剰に優しいタルコフコピーとは一線を画すやりがいがある。 中国製とは中毒性が違う。緊張感を高める誘導が上手く、濃密なドラマを生む
開発者は本作を“脱出アドベンチャー”と呼んでいる。 一方日本では便利な言葉が生まれた。 いわば……たこシあ か プレイヤーがダウンすると、上空にフレアが打ち上げられる。 漁夫の利を狙うのか、ホットゾーンを回避するか。 “ レイダーに必要なものは、臨機応変な判断力だ。 ” 3つフレアが上がったらチャンスだ。部隊の壊滅、もしくは手負い同士が争っているのだから。 隙を突き、脱出したって良い。 脱出地点は点在する巨大エレベーターや列車等。 呼出ボタンを押すと警報が鳴り響き、遠くまで存在をばらされる。 扉が開くまで1分も待たされ、更に2分以内に内側でパネルを操作し閉じなければ脱出できない。 戦闘必至でレイドの総決算となる。ダウンしてもパネルを操作できるのが秀逸。 敗者達にもセカンドチャンスが与えられる。 扉が閉じる時、中に居さえすれば脱出可能。 往生際悪く動け。泥水を啜れ。命乞いしろ。 この最後の決戦がアツいドラマを量産する。 VCや “Don’t shoot!” 等のボイスもあるので、交渉も可能だ。 ラストベルトは弱肉強食。誰もが先手必勝で引き金を引く。 しかしここは家路への最終便。僕らに戦う意味はあるのか。 命がも゛ったいだいっ!!!! 目的はもう果たしているのに…!!! 互いの想いが伝わり合い、武器を置くことも珍しくなかった。──スモークを撒き、強引に扉を閉じるのか。 ──敵にARCを押し付け混乱させてやるのか。 ──息を殺し先に動いた敵を逆に仕留めるか。 ──扉が閉じ始めたら駆け込み乗車するのか。
とはいえ綺麗事だけでは生きていけない。 鍵があればレイダーハッチなる穴から静か且つ即座に脱出できてモチベを崩さなかった。 (ただし鍵は使われすぎてコストがアホ程増えた) タイマーがゼロに近づくほどに人は集まり、危機が迫り、面白いことになっていく。 ぜひその身で極限状態を体験して欲しい。暴力の行使が許されているからこそ、真の優しさが際立つ。 殴ったら首輪が爆発するような神に管理された無菌室では感じ得ない。 パネルを操作する間、あいつはいつでも俺を殺せた。 でも、撃たなかった。 これ以上の宝があるだろうか? これがPvEだったら「アッ……アス…(ポチ」と毎朝の出社並みの体験で終わる。
主役たる ARC
コイツ等の存在感は強烈だ。 宇宙から飛来する機械生命体に蹂躙され、人類は地底への退避を余儀なくされた訳だが、それが納得できる強さを持っている。 小型でさえ無傷で倒すのはコツがいる。 大型は災害だ。複数チームで囲っても勝ち目があるか読めない。 機械ならではの個性と役割が見て取れ、新たなARCとの出会いは本当にワクワクする。 素晴らしいのはロボットなので動作が特徴的。分かりやすい攻撃準備を挟んでくれる。 遠距離からチーターじみた無慈悲なワンパンHSをぶち込まれてイラつく事はもうない。 開発初期は PvE ゲームだったが、退屈すぎて変更。 結果的に PvPvE のギミックとして驚く程に上手く噛み合った。 ただ流行に乗った方針転換では無いと、触れば分かる。 ARC が強いおかげで臨時同盟が発足する。 安易な争いは ARC が乱入し共倒れになる。 脱出地点では出待ちが減る。ARC 不在は警戒のサイン。 ARC を釣るルアーを敵に投げ、攪乱したっていい。 立ち回りが ARC に握られる。最高の舞台装置だ。圧巻のグラフィックと技術力
アートワークの良さはストア画像でも見てくれ。いいね? アッハイ。 開発者は『スター・ウォーズ バトルフロント』と同じ面々。 つまりモーションが非常に滑らかで、操作感が最高に良い。 乗越え・スライディング・着地ロール等、運動能力も十分。 コピー品やモバイル向けから漂う軽さが無く、極めて上質。 最適化も完璧。推奨スペックは7年前の RTX2070(!?)だ。 UE5を世界で初めて使いこなした魔術師とテスター達は称賛した。 そして驚くほどバグが少ない。// 少しマニアックな閑話 開発元はスウェーデンの Embark Studios。 あの Battlefield で有名な DICE のすぐ近くに生まれた新興スタジオだ。 というのも DICE 初期(BF2以前)からの古株CEOが、BFVの発売前に Nexon に鞍替えし設立した経緯がある。 たった6人から始めた彼らは、かつての同志を目と鼻の先の古巣から次々と引き抜き、一気に成長。 つまりBF産み、その黄金期を支えた超一流クリエイター集団の方舟が Embark (乗船) なのだ。 (件のCEO自身は賛否両論ある。有能な元部下が今も多く就いている事が論意であるのでツッコまないで欲しい。Nexonに転職した元同僚から、Embarkは立場が強く口出し出来ない噂があるとも漏れ聞いたので剛腕ぶりは発揮してるのだろう。)
没入感を支える、驚異的なオーディオ
ᴀʙsᴏʟᴜᴛᴇ 𝗖𝗜𝗡𝗘𝗠𝗔 最も陰の立役者と感じた、サウンドの秀逸さも推したい。 寂寥感漂う澄んだ空気を、切り裂き震わせる火器の残響。 外星技術と本能で感じる、不気味な電子音が濁って響く。 重力の先を夢見た跡地に、風と命のざわめきが溶け込む。 PTSD シミュレーターの異名を持つ Battlefield1 を生み出したサウンドエンジニアの神々も参加している。 音響革命を起こした BFBC も彼らの功績という生き字引達。 そのサラウンド感は、視覚以上に没入感を演出しているこのゲームの白眉だ。 定位も明瞭で、ゲームプレイへの影響も大きい。 腕っこきのレイダーは敵を聞き、己の輪郭を掴ませない。もちろん懸念点もある
- ハードコア: かなり戦闘偏重のゲームデザインだ。 PvEモードは無いのに、ARCのパーツをそこそこ求められるので、戦闘を避けては通れない。PvPを含む以上、理不尽さとスキル差は取り除けない。それはマリオカートですら適用される原則なのだから。 - 古臭さ: 自分はレトロ趣味が無いのでビジュの第一印象は悪かった。 特に銃だ。ほとんどが錆びた鉄塊の壊れかけ。 単発系が多く、撃ってて興奮しない。 ただ、これは駆け引き重視のゲーム性とマッチしていて、いずれ慣れた。終盤は未来的で使いやすい銃も増える。 - スキン: 自由度が低い。根本的に、着替えると目立つのが致命的。 宇宙服は超カッコいいが、荒野に白は命知らずが過ぎる。 ラストベルトじゃどう死ぬかじゃない、どう生きるかだ。 - 価格: 40ドルが6000円は時の流れを感じるね……。その他 TIPS
- 強制ワイプなし: やりたい人だけワイプを選択できる。ささやかなリワードを獲得し進行状況をリセットする。これは8週間毎に実施される。 - バトルパス: 基本的に時間制限が無い。(一部を除く) HELLDIVERS2 のウォーボンドと同じ形式で、FOMOに悩まされない。拍手👏所感
総じて思うのは、「サバイバル体験」に価値を見出す作品だ。 戦闘以外のディープな要素は希薄。 人との出会い、極限下の生き様、その記憶を持ち帰る事に充実を得られるかが、好みを分けるのではと思う。 『ARC Raiders』はEFTを後追いせず、エクストラクションシューターのエモーショナルな体験を抽出して増幅させた策略的な作品だ。 その練られた設計は、バトロワに PUBG, APEX, Fortnite, WZ が併存するように、EFT型ではない脱出シューターの新たな地平を切り開いた。 煩わしさを取り除き、大衆向けに普遍化したメカニクスに落とし込む設計哲学は、往年のブレイクスルーを起こした傑作に近いものを感じる。 人によってはAPEXが登場した““当時””の閃光を幻視するかもしれない。既存ジャンルを再調整し、高度かつシンプルに研ぎ澄ました手腕の巧みさがそれだ。 故に幅広い人にオススメできる。PvPvE への抵抗さえ無ければ。 特にコンソールで遊べる脱出シューターは稀だ。 ただし、再び強く忠告するが、戦闘民族用のゲームだ。 重圧に魂が勃起する!!リスクジャンキーであれば、ハードな戦闘をカジュアルに体験できるループにやみつきになるはず。よくPvPいらないと言われるが、全く別物という事を分かって欲しい。ホラゲーにホラーいらないと言ってるのと同義の難癖だ。それではまるで麺なしラーメンだ。太るリスクを承知で背徳的悦楽を享受しているのに、ヘルシーにしてくれなんて、なんと無粋な。サラダが食べたい日もあるが、別の店に行く。 新たな扉が開くかもしれないぞ。トップサイドで待っている。













































































































































